てっきり
・行きの電車の中から、床屋の店内が見えた。
帰りにも、また見えた。
客の髪の毛に鋏を入れるおばちゃんの、斜め
後ろについていた若者の背筋は一日中ああし
てぴんとしていたんだろうか。
・眩しい午後五時の路地で、コンクリートの
わずかな段差に腰掛けて携帯を耳にあてる
中年サラリーマンの側を通る。無邪気な、
という言葉が浮かんだ。
何だか楽しそうに見えたものだから。
ё保坂和志『カンバセイション・ピース』
ё井上ひさし『イサムよりよろしく』
ё長田弘『ねこに未来はない』
何日か前からこの三冊をだらだら。
ё森絵都『風に舞いあがるビニールシート』
読み終えてしまってすこしさみしい。
カンバセイションとピースの間にインが入ると
思い込んでいた。