DOG EAT DOG

 立ち読みした『卵一個ぶんのお祝い。』にころっとやられ、でも買わず、古本屋で手に入れた『物語が、始まる』ではそのイメージを若干はぐらかされ、新書の単行本としては久々の買い物だった『夜の公園』は途中で放棄。していたら、していたら…。
何の話かといえばこれらは全て川上弘美の著作である。初めのはエッセイ。あと二つはそれぞれ短編と長編小説。今日、『あるようなないような』を読んでみた(ちなみに今回は図書館で)。自分にとっての初・川上弘美だった『卵〜』を読んだときのあの感じは幻じゃなかったんだ!とほっとする。というよりも、なんとまあすごい人お人じゃ…と頭を垂れたことだよ。
本の出版自体は99年だけど、その数年前にあちこちに掲載された文章が収められている。
その中の「エレクトロニックカフェに行った」という文章は、(川上さんの文章そのものとはちょっと離れた点で)印象的だったなあ。96年、今から10年前の、インターネットが「当たり前のモノ」になる寸前の話。

 帰りに何だか遠回りをしたくなって、いつもと違うルートを選択。せっかくなのでCD屋に入ってみる。久々にレコードを買った。(「CD屋に入った」→「レコードを買った」何やらちぐはぐだけど、確か店頭にはCDの文字があるその店は、半分ほどレコードを売っている。)店内で流れてた女性ボーカルがすごく良かったなぁ。品がよくって軽やかで楽しいジャズ。ああいうとき、店員さんに自然に声をかけられるようになりたいもんだ。

駅までの道を歩きながらふと、あることに気が付いてびっくりした。
「暑くない!」
爽やかな日でした。