くるみパン不在

 お昼にコンビニのパン売り場でさんざん迷った末、かにぱんを選ぶ。84円という値に一瞬ハッとする。レジの青年(自分と同じくらいの年、あるいは一つ二つ若そうな)が、こちらの出方を待たずして「16円」をスタンバイする。ここでわたしが104円を出したら、一体どんな反応を示すのだろう、と少し意地悪な気分になる。4円は持ち合わせていなかったため、彼のシナリオ通り、16円を手にして店を後にする。

 心なしかこざっぱりとした34号館裏の木々の様子を眺めながら、立ったままかにパンを食べる。
ファンになる。

いずれにしても100円を出していただろうな。