among the living

「ワインの無い生活なんて、太陽の無い生活のようなものだ」
とは、だれが口にした言葉か知らないが、とにかくそれくらいワインを愛するというフランスの国民。彼らが常飲するワインはもちろん、葡萄から作られる。(フランスは、葡萄の生産量はイタリアに次ぐ第2位だが、ワインの生産量ではイタリアを凌いで世界第1位につけている。)
ワインが大好きなフランス人は、その原料である葡萄を作る農家のことも大事にする。都市部でしばしば行われる、農家による対政府のデモ行為にも、もっとやれもっとやれの温かい声がかかるのだとか。
「フランス:葡萄」を、「日本:コメ」に置き換えてイメージしてみる。他人事…で終わってしまいそうな気がする。食への嗜好にずいぶん変化が見られるとは言え、依然として「日本食」の基本にあるコメ。だが、“太陽”へのフランス人の執着は、コメ/日本人のそれよりも濃厚なもののように思える。浴することで得られる、「酔い」という快感に拠るものなのだろうか…。

今日の『世界地誌』の授業のターゲットが、フランスだったのです。フランス人の、農民によるデモへの声援というのが葡萄農家に限った話なのかという点が判断し切れなかったが、まさか葡萄農家にはエールを送り、小麦農家は黙殺…なんてことはあるまい。(ん…となると上述の後半部が無理やりすぎるのかぁ…。)

担当の教授(たぶん70代)は、退散のための荷造りをする学生がどんなにざわついていても、最後に一礼をして90分を締めくくる。

(…はてなの市民権をちょうだいしました!ちょっとうれしい。)