太陽に抗議する

 今日はここ数日に比べて少し暖かめだったこともあり、会議のために脇目もふらずに歩かなければいけない自分(遅刻しかけていたため)の状況というのがなんだかものすごく不当なもののような気がした。7時間後、久々の長丁場を終えると、もう真っ暗。


 見渡す限り雪に覆われた世界で、“自転車と橇のハイブリット”に乗って疾走する夢を見た。たぶん、等間隔に立ち並ぶ木の発色の悪い緑と茶だけが、雪の白のほかに登場する色だった。このシーンの前は、イタリア(らしき国)のレストランで給仕として働く自分が、「実はお金をこれしか持ってきていないんだ」というおじいさんに、私が立て替えておくので後日足りない分を持ってきてほしい、と英語で伝えようとしている夢だった。さらにこの前にもうひとつのシーンがあった気がするけど、もう思い出せない。
 この夢を見た次の日の電車の中で、読みかけの本*1を開いて、銀世界を疾走する夢の出所が判明した。自分の頭の中の単純さを、これでもかと思い知らされる。

「橇」という字をじっくり見ると、昆虫を見てしまったのと同じような気分になる。

*1:スティーブン・ミルハウザー『イン・ザ・ペニー・アーケード』(白水uブックス)。「橇滑りパーティー」に影響されたらしい。その一篇前に収められているのが「太陽に抗議する」。