「東京タワーに行こう」

 マンションの7階の一室。ベランダの窓からはパノラマの風景。さくさくと仕事を終えたいつもの4人+1人。冗談で終わったかもしれない一言を実行に移した。

 カップルたちは、地上よりも何割増しかで甘い雰囲気を纏っていた。光のつぶたちを見ながら、少しだけ思いを馳せてみた。おまじないのようなものだ。

 最近、『沖で待つ』の、「同期ってそんなものだと思っていました」というような言葉をふと思い浮かべることが多い。