セルフタイトル

 小さい店で、探しているものが全滅だったときにふと、懐かしい名前が目に入ると、「買うか否か」のメーターは間髪入れずに買うの方へ振れる。そんな、がっかりの反作用で数日前に買ったCDを聴きながら。
・ブックレットの「ぼくはぼくのこと好きさ」濃度が比類のない高さ
・「ギター&ピアノからドラムスまですべて自らこなす私小説的なアプローチ*1」というくだりで、今年受けたいくつかの授業の記憶がよみがえってきた
・このアルバムは「がっかり」ではない
ベン・クウェラー、3rdアルバム(いまちょうど全12曲が終わった。)ブックレットにも文句はない。

 林芙美子が応接室に座したかと思えば、和田誠梨木香歩須賀敦子の三人はエッセイを手土産に居間でくつろぎ、ヴォネガットは時折異界から顔をのぞかせるので、どれひとつとして読み終わらない。(何を言ってるんだか…そもそもうちに応接室なんてものは無い。)
“小辞典で見るとtimidとTimbuktuのあいだの単語はぜんぶ時間timeに関係している”のかどうかを、確かめそびれている。

*1:ライナーノーツより